
いつも落ち着きがない、そそっかしくて気が散りやすい・・・子どもにそんな様子が見られたら「もしかして注意欠如多動症(以下、ADHD)?」と気になることがあるかもしれません。30年以上にわたり、発達障害の臨床・研究に携わってきた児童精神科医の本田秀夫先生に、ADHDの特性や対応のしかたについて聞きました。
授業中に立ち歩いてしまうえいたさん

――ADHDの子が生活する上で困るような特性にはどんなものがありますか?
本田先生(以下敬称略) ADHDの主な発達特性には大きく2つの柱があります。1つは「多動性・衝動性」、もう1つは「不注意」です。どちらか1つだけが目立つ場合と、すべての特性が目立つ場合があります。多動性・衝動性の特性が強い子は、落ち着きがなく、思いついたらすぐ行動してしまい、1つのことを最後までやりきれず、じっとしていることが苦手です。このタイプは比較的早く、幼稚園や小学校低学年までに受診につながることが多いです。
不注意が目立つタイプでは、忘れものが多い、うっかりミスが続く、時間にルーズ、片づけが苦手などが生活上の問題になります。この場合、「そのうちできるようになるだろう」と思われやすく、受診が高学年以降になるケースが多いです。
――ADHDの特性があって受診する子の場合、具体的にどんなケースがあるか教えてください。
本田 拙著に掲載した事例をご紹介します。小学2年生のえいたさんは、授業中に、授業の内容以外のことが気になって、つい立ち歩いてしまうお子さんでした。先生に注意されれば席に戻るので、授業のルールは理解しているようですが、しばらくするとまた、つい動き出してしまうのです。
えいたさんは多動性・衝動性の特性が強いと考えられます。えいたさんのように、じっと座っているのが苦手な子も高学年になればある程度座っていられるようになることが多いです。また、掲示物を減らして気が散りにくい環境にする、といった対策することもできます。こういった特性がある子の場合は、授業中に少し立ち歩いても大目に見てほしいと思います。