
3人の子どもを育てる越智友理さん。長女は小学4年生。双子の長男・二男は1歳になりました。
妊娠25週(妊娠7カ月)での破水、緊急帝王切開での出産となった長男の朗久くんの出生体重は790g、二男の朋久くんは786gの超低出生体重児。NICU(新生児集中治療室)やGCU(新生児回復室)に約4カ月間の入院を経験しました。
友理さんに、双子の成長や子育て、都立墨東病院(以下、墨東病院)で受けたNIDCAP(ニドキャップ)について聞きました。全2回のインタビューの後編です。
長男は生後2週間で、動脈管開存症と診断されて手術

早産で生まれた赤ちゃんは、生後72時間はとくに注意が必要といわれています。
「双子を妊娠したときから早産のリスクについては調べていました。出産後、医師は私にはとくに何も言いませんでしたが、夫には『生まれて3日間は、脳出血などの危険がある』と伝えていたそうです。
また長男は生後2週間で、動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)と診断されました。動脈管開存症は、本来なら出生後に自然に閉じるはずの動脈管が開いたままになる病気で、とくに小さく生まれた赤ちゃんに見られるそうです。
私が出産したのは、墨東病院でしたが、長男は手術のために別の病院に搬送されました。手術は無事に終わり、長男は5日ほどで、墨東病院に戻りました」(友理さん)
NIDCAPで、小さな息子たちと積極的に触れ合うように

友理さんたちは、墨東病院で、NIDCAP(ニドキャップ)の考え方で双子のケアをしました。
NIDCAPとは、早産児の成長発達と親子の関係性をはぐくむことを目的とした、新生児の神経行動発達理論と科学的根拠に基づいたケアプログラム。海外では取り入れている施設が多く、日本でも2025年現在、15施設で導入やトレーニングが行われています。NICUでの赤ちゃんのケアについて、医療従事者のみが行うのではなく、保護者ができるところは積極的にかかわってもらうという考え方です。
墨東病院もNIDCAPを取り入れています。
「赤ちゃんが生まれて10日ぐらいたってから、夫婦でNIDCAPの説明を受けました。先生は『海外ではNIDCAPの導入が進んでいる』『小さく生まれた赤ちゃんも早期からママ・パパがかかわることで発達にいい影響がある』というような説明を受けて、『もしよろしければNIDCAPをしてみませんか?』と聞かれました。
夫も私も迷うことなく、『ぜひお願いします』と答えました」(友理さん)
友理さんは、NIDCAPの考え方を通して、小さな息子たちと積極的にかかわり始めました。
「搾乳した母乳をシリンジで飲ませたり、絵本を読み聞かせたり、採血のときは赤ちゃんを手で包むホールディングをしたりしました。長男の朗久は790g、二男の朋久は786gで生まれたので、『こんなに小さいのに、こんなふうに触れ合えるの?』と驚きました。採血や眼底検査のあと、私がホールディングすると泣きやむのも早いように感じました」(友理さん)