
国民的アーティストで、東京オリンピック開会式では日本国歌を独唱したMISIAさん。社会貢献活動にも積極的で、とくにアフリカでの活動には精力的。アフリカの子どもや若者の教育支援などに15年以上たずさわり、アフリカで得た経験を日本の子どもたちにも伝える活動もしています。2025年夏には、「もっとアフリカを知ってほしい」「小さいころからアフリカに触れてほしい」と2冊目の絵本を出版。MISIAさんに子ども支援への想いについて聞きました。
全2回取材の後編です。
アフリカ、そして世界中の子どもたちの支援を

――MISIAさんは、アフリカの教育支援、ひいては世界中の子どもたちの教育支援に積極的です。アフリカとの最初のつながりを教えてください。
MISIAさん(以下敬称略) 音楽的に影響を受けたソウル・ミュージックのルーツがアフリカにあるので、もともと関心をもっていました。また「We Are The World」や「Do They Know It’s Christmas?」といった楽曲を通じて、子どものころから貧困問題というものにも触れていました。
関心をもって学ぶ中で、アフリカだけでなく世界中で起きている貧困問題や紛争問題、そして環境問題などのさまざまな問題はすべてつながっていると考えるようになり、いろんなことを知りたくなりました。私の活動は「支援」という言葉で語られることが多いのですが、一方的に助けるというよりは、「互いに学び合えたら、もっと世界はよりよくなれるんじゃないか」という思いで活動を続けています。世界を知ることは、自国を知ることにもつながります。
私はアフリカとのかかわりを通して、自分が「教育」を受けられてきたことによる恩恵にあらためて気づかされました。
学ぶことで、見えてくる景色はすいぶんと違ってきます。知識を得ることは意識や行動につながるので、世界の問題を知っていくこと、そしてたくさんの素晴らしいものを知っていくことはとても大切だと感じて、多く人たちにそれを知ってもらうための活動を続けるようになりました。
――MISIAさんが、一番初めに訪れたアフリカはケニアでしょうか?そのときのこと、感じたことを教えてください。
MISIA はい、2007年に初めてケニアへ行きました。お恥ずかしい話ですが、実は最初は貧困問題だったり、マラリアなどの疾病や感染症だったり、そういったかたよったイメージを抱いた状態でアフリカを訪れました。
しかしアフリカの地に降り立ったときは、4月に行ったということもあり、過ごしやすそうな気候だなというのが最初に感じたことでした。ナイロビ空港は隣に国立公園があり、飛行機から降りてすぐにフェンスの向こうの保護区を歩いているキリンの姿を見かけて少しビックリしました。
そして、スラムなどの厳しい環境の中で暮らしている子どもたちにも出会い、そのたくましさや優しさにもたくさん触れました。貧しさゆえに親に捨てられてしまった子どももいました。けれど一方で、自分たちも食べるものに困るほど厳しい環境にいるのに、捨てられた子どもを自分の子どもと同じように愛して、世話をしている人たちもいました。豊かな大地に、豊かな文化、豊かな音楽・・・。たくさんの素晴らしいものに触れました。
本当のことが知りたい、貧困問題とは何かを知りたい、そんな気持ちでアフリカに行ったのに、ますますわからなくなりました。こんなに豊かな場所なのに、どうして?と。そして、まずは学ぶところから始めよう、学んだことを日本の人にも伝えよう、一緒に考えようと思うようになりました。