
大塚まどかさんには、2人の子どもがいます。第2子のらんちゃん(小学6年生)は、2型コラーゲン異常症関連疾患の1種である、スティックラー症候群1型と診断されています。2型コラーゲン異常症関連疾患の患者数は全国に約1500人と推定されていますが、治療法が確立されていません。代表的な症状の1つに低身長があり、生活するうえで不自由さがあるのも、この病気の特徴です。
母親のまどかさんに、スティックラー症候群1型と判明するまでのことや、らんちゃんの症状について聞きました。
全2回インタビューの前編です。
妊娠20週ごろの妊婦健診で、「手足が短い」と言われる

らんちゃんを授かったのは、まどかさんが30歳のときです。
――夫婦の出会いについて教えてください。
まどかさん(以下敬称略) 夫は私と同じ歳で、大学の陸上サークルで知り合いました。
私が通っていた公立小学校は、陸上に力を入れていたんです。上級生が陸上をする姿にあこがれて、私も陸上を始めました。中学の陸上部では短・長距離の練習をして、100メートルハードルと駅伝で、県大会にも出たことがあります。
うちの子は、長男が走太。長女がらんです。2人とも“走る”から名前をつけました。
――らんちゃんに気になる様子が見られたのは、いつからでしょうか。
まどか らんは、里帰り出産を予定していて、自宅近くの産科クリニックで診てもらいながら、出産予定の大学病院でも妊婦健診を受けていました。
妊娠20週ごろ、産科クリニックで「手足が短い」「おでこが出っ張っているかも」と言われたんです。その後、大学病院でも同じことを言われました。
妊娠31週のとき、大学病院で妊婦健診を受けたところ、超音波の専門医がいる大学病院に行くように言われて、紹介状をもらいました。
――上の子の妊娠のときと、何か違うと思ったことはありますか。
まどか 上の子は、おなかの中で元気に動いていたのですが、らんは、あまり胎動を感じませんでした。でもエコー検査をすると、動いているんです。もしかしたら手足が短かかったために、胎動をあまり感じなかったのかもしれません。