たまひよ

脳科学者の瀧靖之先生には、中学2年生の息子さんがいます。子どもは早生まれですが、中学受験のときに、瀧先生は「早生まれは不利かもしれない」と感じたそうです。
瀧先生に脳科学の視点で見る、早生まれの子に必要なかかわり方を聞きました。全2回インタビューの前編です。


早生まれの息子の中学受験で感じた、エンジンのかかりにくさ


早生まれとは、1月1日から4月1日までに生まれた人をさします。早生まれの子をもつママ・パパは「早生まれだと、まわりの子よりも体が小さい」「遅生まれの子と比べると、できないことが多い」と心配することもあるかもしれません。脳科学者の瀧先生も、早生まれの子どもがいますが、中学受験のときに「この子が遅生まれだったら・・・」と思ったことがあったそうです。

――わが子の中学受験を通して、先生が感じたことを教えてください。

瀧先生(以下敬称略) 息子は3月生まれですが、これまであまり早生まれということを意識したことはありませんでした。早生まれでも体は大きいほうでしたし、読み書きの習得も早いほうでした。

しかし中学受験のときに、エンジンのかかりが遅くて「あれ?」と思いました。受験に対して本気で向き合う姿勢がなかなか見られないんです。
最初は、個性だと思っていたのですが、どうやら個性だけではなく、早生まれが影響しているのではないか!?と考えました。まわりの友だちは、もう少しエンジンのかかりが全般的に早い印象がありました。

――先生が、子どものエンジンのかかりが遅いと感じたのはなぜでしょうか。

瀧 小学4年生ごろから、私が勉強を見ていたためです。私は伴走型で、息子の受験勉強に寄り添っていました。
親が伴走型で子どもの勉強を見ないと、結果だけを見てしまい「テストの点が悪い」「もっと勉強しなさい!」などしかりがちになります。過程を見てもらえずに、結果だけで評価されると、子どもは追い込まれてしまいます。
しかし伴走型で勉強を見ていると「ここがわからなくて、つまずいているんだな・・・」とか、子どもの気持ちがわかり、結果だけで評価しなくなっていきます。
伴走型で勉強を見ていたために、エンジンのかかりが遅いことも気づきました。


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