
31歳のときにパリオリンピックで見事、金メダルを獲得した柔道家の角田夏実さん。大きな夢をかなえた今、次の目標に向けてある決断をしました。それは「卵子凍結」です。とはいえ、アスリートである角田さん。卵子を採取するまでさまざまな思いもあったそう。角田さんの経験をじっくり聞きました。全2回インタビューの後編です。
まずは卵子凍結について「知ること」から始めた

――パリオリンピックで金メダル獲得という大きな夢をかなえました。その後、充電期間をもち、今後のことを考えるようになったと聞いています。
角田夏実さん(以下敬称略) パリオリンピック前、女性コーチとこの先の女性としての生き方について話す機会がありました。そのときに「卵子凍結」というワードが出てきたので、結婚や妊娠、出産について考えるようになりました。でも、オリンピック前だったのでその時点では具体的に考えていませんでした。
――オリンピックが終わってから具体的に考えるようになったのでしょうか。
角田 無事にオリンピックが終わり、薬の副作用等を気にしなくてもいい期間に入ったので、以前聞いた卵子凍結について真剣に考えるようになりました。卵子凍結のメリット、デメリット、どんな検査をするかなど、何もわからない状態だったので、婦人科に行き、卵子凍結についてカウンセリングを受けることを決めました。
――婦人科に行く前はどんな気持ちでしたか?
角田 相談に行くと決めたものの、実際はどんな検査をするのかわかりません。検査は痛いのか、費用はどれくらいかかるんだろう・・・期間は? など、考えると「まだいいかな」という気持ちにもなりました。でも、「まずは知ることから始めよう」という気持ちで婦人科の門をたたいてみることにしました。