たまひよ

2024年に開催されたパリオリンピック。柔道家の角田夏実さんは、ともえ投げを武器に日本女子史上最年長で金メダルを獲得し、話題となりました。大きな夢を成しとげた今、これからの人生について考える時間も増えたそう。角田さんが柔道に出会ったきっかけから、これからの人生についての思いまでを聞きました。全2回インタビューの前編です。


試合で負けて弱音を吐くと、いつも上手になだめてくれた母



――2024年に開催されたパリオリンピックを振り返り、現在はどんな心境でしょうか?

角田夏実さん(以下敬称略) オリンピックが終わりすでに1年以上が過ぎましたが、終わったのが最近のような感覚です。改めてオリンピックの存在の大きさを感じています。現在は柔道のことをさまざまな角度から発信していきたいと思っているので、イベントや柔道教室など、柔道以外のことにも積極的に取り組んでいます。

――そもそも柔道を始めることになったきっかけは何でしたか?

角田 小学2年生のころ、柔道をやっていた父に地元の警察署の柔道クラブに連れていってもらったことがきっかけです。私は気持ちが少し弱いタイプの子どもだったようで、両親は強くなってもらいたいと考えていたようです。当時は「柔道」がどんなものかは知らず、マット運動のような感覚で習い始めました。

――小学2年生から始めた柔道、これまで辞めたいと思ったことはありますか?

角田 実はことあるごとに辞めたいと思っていました。とくに試合に負けたときは「もう無理!」と両親に直談判していました。

――それでも続けてきた理由はどこにあるのでしょうか?

角田 母が私をなだめることが上手で、気持ちが下がってくると心が折れないように誘導してくれていました。母の声がけがあったからここまで続けてこられたように思います。


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